朝から孫が泣いております。
早く浜へあそびに連れて行ってくれ、と駄々をこねているようです。
ちょっと待ってねえ、海がだいすきになっちゃったねえ、と
母親はのんびりと声をかけています。
窓の外は夏の日差しのせいで真っ白な光に満ちています。
セミが負けじと鳴いています。
ちょうど、8月6日の朝8時過ぎのことでした。
あの日の朝も、きっと泣く子をあやすやさしい風景があったことを
想像するのはむずかしくありません。
窓の向こうから、とてつもない暴力がやってくるまでは。
そう思うと、目の前のおだやかな母子のようすに
胸がしめつけられました。
ことしも 8月がゆきます。
いつの世も、せかいのこどもたちに幸あれ。
想像をたくましくして、願いを、小さくてもおこないにかえて。