ねえ ぎんちゃん むかし こどもだったって ほんとう?
こどものころ きょうそうした?
こどものころの ぎんちゃんと あいたかったな
わあ・・・
こんなに ひろい そらのしたで
うれしいなあ はるちゃんに あえたなんて
ねえ ぎんちゃん ゆっくり かえろう
表紙
(2020年至光社)
そらのしたで
きょう このそらのしたで
いっしょにいることの 奇跡。
このそらのしたで
とおくのどこかにいるだれかも
いまを ともに。
いま、なにがあっても空は青いな、ということに
わたしは はげまされてもいます。
作者あとがき
空が高く青く美しい日、おさな子と散歩にでました。
海と空のさかいめがとけあうあたりをながめていたら、
どこまでも広がっていく空が、はるか遠いどこかへつづいているばかりか、
時をこえて、遠いいつかにまでぐーんとのびているように思えてきました。
過ぎ去ったなつかしい日々もひとつづきのむこうの空の下、
そこにいるおさなかったわたしが、
こちらに向かってあしたの空を指さしている気がします。
そんな悠久に浮かびながらふとかたわらに手をのばすと、
なかよしのおさな子がいました。
今日という日は時の結び目のよう、
おさな子とつなぐ手は、まるでその形です。
ひとつ空の下でいまをともに生きるさいわいは時の奇跡、と気づくとき、
いっしょにあおぐ高い空がしずかに祝福してくれます。
至光社編集者あとがき(ちいさなひろば2020年6月号 この絵本をめくりながら より抜粋)
「青くて・・・たてとよこにね・・・そんな感じの・・・」と彼女が言った。どこまでも高く、どこまでも深く、どこまでも広がる青い世界が見えた。そして絵を描き終えた時「空を描きたいと思ってたらね、とおくにとおくに想いを馳せたかったんだって、気づいたの」と作者は笑った。
からだがとけこんでしまいそうなほど、はるかとおくへ続く空。この空はどこまで続いているんだろう・・・とおいどこか、昨日 明日 ずっと昔 これから・・・。そんな空の下で、隣にいる大切な友だち。出会えた奇跡。そっと寄り添えば心はひとつ、はるちゃんとぎんちゃんは、今ここにいるよろこびを分かちあう。
とおく過ぎ去った時と今この時は、空のままにつながっていて、子どもの時と同じ空の下にいる、これから先もずっとつながっている、そう思うと、なんだか空を漂う雲になったみたいでふわふわとうれしくなる。
子どもがはるちゃんと同じ問いかけをしてきたら、同じ空の下の子どもになって、出会えた大切な友だちになって、話をしてみませんか。きっと心踊る貴い時間になることでしょう。
至光社編集部 小沼みさ子
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