2014
30
Apr

日々記

だんまり日記 4月

◆しごとばを家の2階にうつして初めての春。
向かいの山がさくらいろにけむるのを知る。
日増しにあかるさを増す。
風に揺れる。
山が、しろく笑う。

◆仙台開花とラジオが。
そろそろ石巻にも咲くだろう。

◆いつもの旅。
八重山へ。

◆波照間の海の大潮か、この引きは。
行ったことのない沖へ、歩いて。
のぞいたことのない深みの青さに。
異界の中の異界のいりぐち、海中に、淵。

 

 

 

 

 

 

◆竹富島あかるい月夜。
夜歩きにかかせない手持ちの電灯は
いらない。

 

 

 

 

 

 

◆月影を踏んで浜の桟橋へゆけば
月光は波に散り、さかなはぽちゃりと跳ねる。
ひとりしずかに月光を浴びる青年がいる。
梟の声がひびく。
しずかに。

 

 

 

 

 

 

◆竹富は花の島。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆におい立つ南国の空気。
深く息を吸う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆海への道は 蝶の道。
風の音。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆泳ぐにはふさわしくない浜には。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆竹富は 猫の島。

 

 

 

 

 

 

◆ごめん。ひるねのじゃまをして。

 

 

 

 

 

 

◆あかばなに再会する。
「また来るならば、行ってきます と言って 帰りなさい」

 

 

 

 

 

 

◆では 行ってきます。
雲を抜けて雲海の夕映え。
夜に向かってひとまず帰る。
いつまでも 夕焼けに見送られ。

 

 

 

 

 

 

 

◆また 来ます。

 

◆ひさしぶりだ、低気圧がとおる。
あたまのなかを みっちりととおりぬける。

◆音楽家の訃報をきく。

◆おとこともだちと初めていったそのひとのライブ。

◆おとこともだちとツアーをおいかけていった豪雨の北関東。

◆試合前の野球場でおとこともだちが
「新譜。」と”ウォークマン”できかせてくれたすきとおるピアノの音。
「好きだと思うよ。」といって彼が目をやった外野から夕暮れの湿っぽい風。

◆しろい夾竹桃のけしき。

◆夏のひかり。

◆生まれたばかりの赤ん坊をだいてまたゆらゆらときいていた、
東京下町の古い家並みのひるさがりの部屋。

◆9月の風の中。

◆5月の光の中。

◆低気圧は通過中だがきょうはとくにがんばることにする。

◆新緑が膨張している。すきとおるみどりいろが網膜をたたく。
まぶたをおしあけて目をみはれ。
あたまのなかでもわもわとでもいいから音楽を
せいいっぱいきらびやかに鳴らしながら
自分をひかりで満たせ。

◆筆をとり季節外れの絵を描く。

◆音楽もうずを巻いて通過中。