2011年12月20日(火)
師走でございます。
クリスマスイブにはどんなふうに3人のこどもたちを驚かせ喜ばせようか。
夫婦でこそこそした作戦会議も、我が家にはずいぶん昔の話。
今年のクリスマスはどうするの?長男は?むすめは?末息子は?とうさんかあさんは?
互いの予定を尋ね合い、ふうん、そっかあ、楽しんできてね、などと、べつべつも当たり前になった。
ところがクリスマスがすぎてすぐやってくる新しい年のその前の夜、どうしてか、この夜だけはみんなうちにいる。
いつもよりおいしいものがそろっているせいかもしれない。
だからこの夜は、家族のクリスマス会と忘年会と来年への壮行会を全部やる。
「今年もいろいろありましたがこうやってみんな元気です。ありがたい。はい乾杯。」
食べて笑って飲んで笑って。ふざけてあってまた笑っている。
ほろ酔いも手伝って、このにぎにぎしさは夢かな、とぼんやりする。
・・・・・もういくつか寝たら、みんな独り立ちするのだな。
この場所からとうさんとかあさんはみんなを送り出す、そんな日が順番に来るのだな・・・・・
そうか。
そうなのだ。
若者の出発前夜が、始まっているのだ。
あと何回、こんな夜があるのか。
「夢」などと眺めている場合か。
みんなで顔をあわせてすごす日々が惜しい。いとおしい。
心してあたりまえを暮らそう。
その前夜にはみんなで。
食べよう。飲もう。眠ろう。笑おう。話そう。聞こう。なぐさめよう。励まそう。祝おう。笑おう。笑おう。笑おう。
乾杯。かんぱーい。
いつか、ふとしたときに、ふりかえる夜になるように。
帰ってくる場所になるように。
・・・・・至光社「こどもせかい」2011年12月号にじのひろば掲載