2014
30
Nov

日々記

だんまり日記 11月

◆あいかわらずことばをわすれがちの
絵ばかりかく毎日です。
2015年3月に 久しぶりの個展をきめたので
それにむけての制作です。
今までの個展は
至光社えほんの原画展示がメイン、ちゅうか ほとんどでしたが
今回は 
展示のための絵と物語とをせっせとこしらえており、
至光社えほん原画とあわせて大きめに展示しようとの試みです。

◆描いているのは
いままでの絵本原画と比べると、
紙のサイズで2倍、絵のサイズではざっと3倍。
やってみるもんだな~と思うのは
紙を大きくしたことで、
なんか考えることや思い浮かぶこともかわってきて、
そこがおもしろくてたまりません。

◆絵をそのまま展示するだけでなくて、
しあげた絵から 自作で本をこしらえようと考えているので、
それをおもうと、絵を 早いとこしあげて
作業もつぎにすすめねばならないわけで
さあ
今日もあしたもあさっても
絵ばっかり描いておきなさい。
といいたいところですが。

◆旅に行ってきました・・・・・。
11月の東北の旅は、恒例になりました。
春にも、石巻だけにはでかけておりますが、
11月は石巻、八戸をかならずおたずねし、
あいだの岩手県を駆け巡るというのがルートと言えばルートになりました。

◆石巻の 街のにおいがすこし変わってきたように感じました。
海があふれて陸をあらしたにおいみたいのがほとんどきえて、
晩秋のかわいた草のにおいがおだやかに街をつつんでいました。
復興の大工事も始まるところですが、
そのためにまちの形もまたかわってゆく、変わり際でした。

◆失われたさまざま。
きえない かなしみ。
日々を いきてゆくかたがた。
忘却。その是非の明滅。せめぎあい。
あらゆることを感じずにはいられません。
そして 自分にとって
それらがまったく整理されてゆかないのもあいかわらずです。

◆さかな食うなら石巻。
というポスターをあちこちで見ました。

◆うますぎる、石巻の魚。

◆あと、八戸の魚。

◆八戸の友人たちは
石巻をとても案じていました。
兄弟のような港町だなあというのが
両方をかならずおたずねすることにしている、
南関東の海辺のささやかな町にすむ者の見立てです。

◆そして11月に東北ででまわる、
今夏収穫のホップでこしらえた生ビール。
東北限定の美味豊潤なお飲み物。

◆というおいしいものをおたずねしてでかけているうちに、
なんというか
これまたことばにしにくい東北の
時間軸や空間や
人やモノや
山や水や風や
あれやこれやの森羅万象が
もやもやとしたかたまりになって

おいおい。

と呼びかけてくれるようになってきたというか。

◆それらを いったん つかむべく意識して
今回は急ぎ足なりに旅をつづけました。

◆それを
来年の至光社のおしごとに
ぐいぐいと
おさめてゆこうとおもいながらも

◆ふつふつと 沸き始めた
それらを そばでゆっくり熟成させながら きょうも

◆大きな絵にむかって
すごそうと思っています。

◆ひとやすみするつもりで開いた、
藤原新也さんの写真集・南島街道の巻頭エッセイをうっかり読んだら、
秋に行きそびれた八重山の
あれやこれやが頭の中いっぱいにひろがってしまい、
あの島々での皮膚感覚があざやかによみがえってしまい、
ものすごく気が散りかけてあやういところです、がんばれ。