2020
20
Jul

日々記

ノース ライスフィールド

北海道旭川とその周辺でみのるお米のパッケージ原画『ライスフィールド』。

一家5人で毎夏北海道に通うようになった25年ほど前、北海道農業を支える会(会員5名)をかってながら結成、道産米といえば「きらら」一択だったときからの専任消費者やまざきですこんにちは。

その間、北海道米は躍進をつづけ、ゆめぴりかをはじめ、ななつぼし、ほしのゆめ、おぼろづき、きたくりん、など、いまでは南関東のお米やさんで、どれにしようかなあ、なんて逡巡する時代です。

石垣島でその年いちどめの稲刈りをするころ田植えの季節をむかえる北海道、ここまでのながいご苦労を想像しきることはできないと感じ、少々こころが引けるご依頼でした。

居酒屋でシメの塩むすびの「きき米」をしながら、「ずっと米をつくりながら、いつか内地米を食べたいというのが目標だった」と、すこし遠い目をするひとのななつぼしむすびが、「うまいなあ」と言われて感極まってむせび泣いた気がしたこともありました。

いまではトップクラスにおいしい道産米の、パッケージ原画を依頼してくださった青年が、旭川のお米やさんへごあいさつにつれていってくれる道中、

ことしはどうかなあ、米。雪が少なかったからなあ。

となんどもつぶやいていました。

おもいがけない因果でした。

必要なのが稲の生育期の気象条件ばかりでないことを初めて知りました。

雪が育てる道産米。

そして刈り取りよりも山の初雪が早い北海道。

山と、山の雪に見守られ、ながい時のめぐりのなかで実る黄金の海の粒に、

生産者の方々は、天を仰ぎたくなるようなきらめく名前をつけてきました。

描きながらそのことにも初めて気づき、胸がいっぱいになりました。

願いと感謝がこめられたそれぞれの銘柄名をまとって、

この絵は完成します。