2日続きで嵐のようなお天気です。
風が海鳴りをつれてやってきて、
道向こうの黒松の大木とその隣の名前をしらない落葉樹をぬけるとき
風音がかさなって低音のオーケストラを聴くようです。
絵の仕上げで
層のぬりかさねをくりかえしています。
「ぬる」というより「置く」というほうがしっくりくる気がします。
一層、えのぐを置いて、かわくのを待つ間、
ふと思い出してながめたくなった写真集や版画集をひらいています。
あ。と思う写真が
あらたに増えていることに気づくのは
歳を重ねてきたことの幸いのひとつかもしれません。
版画の色彩の重なりに
どきどきするのは あいかわらずです。
作業中の絵たちをしあげたら
また北海道の絵を描きます。
季節をかさねてみのりに至る、いちまいの風景を描きます。
描きながら考え、想いを一層ずつ重ねる、
描いてみないことにはどうなるかわからない。
絵を描くとはこういうことか。と
いまさら納得するのもどうかと思いますが
作業は、紙に時をかさねていくことでしかありません。
一枚だけでもこのひとつきの日記の束。
事情で、写真は作業中の4枚の絵たちのうちのいちまいの
極小超絶部分だけですみません。
