はじめてのアクリル画です。
最近「ゴッホの手紙」を読んでいて、
ゴッホがくりかえし書いている『青と黄色』のとりあわせが気になってしかたがないところに、
たまたまレモン農家の方と知り合い、ひとついただいた完全無農薬レモン。
巨大で無骨で、ぱんぱん、かんかんで、手にとれば存在に圧倒されます。
大きなレモンのずっしりとしたおもたさは
中に陽の光やらおいしい水やらがつまっているせいだろうともおもわれ、
大爆発したら、あたりはいっぺんにしあわせに満ちあふれてしまうに違いないので、
世の中を吹っ飛ばしたくて丸善の本の上に檸檬をひとつ置き去りにした梶井基次郎にすれば、
「こんなはずではなかった。」とがっかりするだろうと想像すると梶井さんが気の毒な反面、
そうなればなったで梶井さんだってなんだか祝福されたような気持ちになって、明るい方へ心が改まったかもしれん。なにしろ、闇の中でレモン色の光を見出すひとだもの。
と、不毛な妄想がぐるぐるします。
そんな、爆発までカウントダウンのレモンです。
それはそうと、いくらそこいらにあったクラフト紙に試し描きとはいえ
さすがに紙の折り目の上に描くのはどうなの。