2017年11月8日(水)
立冬直前の八重山諸島へ一年半ぶりに行ってきました。
波照間島の海で 連れに手を引かれ(一人では泳げませぬ)
岩礁の縁、深みの入り口に浮かび、おさかなと目を合わせるなどするうち
からだじゅうの表皮から
なんだかよく分からないモハモハが溶けて出てゆくような心地よさに
生まれ変わった気分です。
おめでとう。自分。
空を眺めれば雲がきれぎれに次々流れ、
日が射したり陰ったり、こまめに真夏と晩夏(秋って感じはしなかった)が繰り返されます。
風が 止むことなくかなり強く吹いていました。
天気はどんどん悪くなる予報で
帰る予定の日に石垣島行きの船は出ないかもしらん。
まあ、いい。島へ来られないよりはいい。帰れない方が。
などと、あっという間に悩むのをやめてしまうのも
湿った柔らかな風に吹かれているせいに違いありません。
耳元をぼうぼうと過ぎる海風にサトウキビもざあざあ鳴りながら波打ち、
さながら陸にも海原が広がるかのよう。
しょっちゅう通う北海道のど真ん中のあの広い丘や平野を渡る風と
同じような波動でわたしを揺さぶってきます。
こんな土地で生まれそだつ子どもは
こんな環境がどんなにすごいか わかってくれているだろうか と
やはり風の中で ぽかあんとしている連れが言います。
北海道でもそうですが、
なぜかそこいらへんで会う子どもさんたちは
たいそう機嫌がよいのでした。
あ~うん、と相槌だけは打ちながら
わたしもぽかあんとしています。
この子どもさんらは、
きっとずっと「大丈夫」な気がするんだな。
と 心の中ではつぶやいております。
なにがどう大丈夫なのか。
理屈ではなく
風の中にいると
まあいい。
大丈夫だ。
と 思えてきてしまっているおっさんとおばさんがいうので
まちがいないと思います。
「とべ! ぼくのこころ」(小学館/小学一年生12月号付録ミニ絵本)は
なんだか そんなことを ストレートにかいた ほんになりました。
風や、光、季節の移ろい・・・
どんな何よりも前提にある この世界に
こころ通わせるすべを 知っていたら
生きるよろこびでからだじゅうを満たすことがきっとできると
そんなことばかり思うこの頃です。
「社会」には色々あるかもしれませんが、
子どもさんたちも、どうぞ こころを その向こうへ。
「世界」へ。
おばさんも そう 心がけています。
「とべ!ぼくのこころ」ミニ本バージョンは
12月横浜のグループ展でご覧いただける予定です。
詳細は改めてご案内申し上げます。