いつのまにか どこからか(2015年 至光社)

いつのまにかどこからか

ひらり ゆらり 

秋の日とろり。

「なつかしい」がうまれた日の

ちいさくて しずかな ものがたりです

 

 

 

その場所にふうわりと
つもりかさなってきた
おだやかな 時の気配。
なつかしさなど まだ知らないちいさなこどもたちこそ
そんな気配の正体となかよしのようです。

作者あとがき(こどものせかい11月号にじのひろば掲載)

そこにいると、おだやかなきもちになる場所というのがあります。
古くからひっそりとある家だったりします。
はじめておとずれたのになつかしくさえあります。
古い本をひらくと、はらり 枯れ葉がおちました。
だいすきなページのしおりにしたのでしょうか。
ここにいただれかの、さいわいの瞬間を想いました。
この場所は いくつものそんなときを
うすうすおぼえているのかもしれません。
長いときが、とおり過ぎながら置いて行ったなにかが、
ほんのりつもりかさなりまじりあい、気配のようになっていま、
わたしたちを大きくふんわりつつんでいるといったらいいのでしょうか。

よくわかりませんが、
あたたかな静けさのなかでただ、
ここちよいゆらぎをまとい、
ときのこどもになって、
しばらくそこにいました。

 

 

至光社編集者あとがき(こどものせかい11月号 この絵本をめくりながら より)

ふわりと風が通り過ぎていく。ゆるりと時が流れていく。
はっと気がつくと、時は、
ここから、あそこへ。
あそこから、ここへ・・・
整理をしていて、ふと開いたノートから、
はらりと落ちた四つ葉のクローバー。
いつのものか、ぼんやりと思い出す。
ああ・・そうだった・・
懐かしさとともに、ふれるとこわれてしまいそうな葉に、
流れ重ねた時間をみて、なんとも言えない気持ちになる・・
そんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

夕暮れ前の静かな時間を過ごすうさぎのところへ、
窓からそっと現れた、物言わぬちいさなお客さま。
ふたりの距離を縮めたのは一冊の本。
ふたりは仲よく時を分かち合う。
言葉はいらない時間と気持ちの共有・・・。

 

私たちは、時をこえて、
何か大切なものを共有しているのかもしれない。
誰かと、何かと。
それは物かもしれないし、時間や想いかもしれない。
その何かわからないものと会話し、
「そうだよね」と心を共有しあう・・
そんな時空をこえた、ともだちと。

本を開くたびに、かえでの葉はそこにいて、
うさぎはふたりの楽しいひとときを思い出すでしょう。
あのときの温度や光の加減、空気のにおいさえ。
時計の時を刻む音を、遠くに聞きながら・・・・。

子どもたちが自分の宝箱の中に入れていく、たくさんのものたち。
傍から見るとなんということのないものであっても、
そこに秘められた大切な想い。
時を軽々ととびこえ、旅する子どもたちの宝箱には、
たくさんのともだちがいて、
いっしょに時を重ねていくのでしょうね。

 

五感で味わう、この絵本。
とりまく気配をゆっくり、たっぷりと
感じていただけたらと思います。

至光社編集部 小沼みさ子

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