
ふるふる ゆきふる ふりつもる

ふるふる ゆきふる おか しずか

ふるふる ゆきふる もり しずか

ふるふる ゆきふる みずうみ しずか

ふるふる ゆきふる ぼく しずか

だれか いないか ぼくしか いないか

ふれふれ ゆきふれ ぼくたちに ふれ

(表紙)
(2015年 至光社)
ふるふる ゆきふる ふりつもる
ふるふる ゆきふる ぼく しずか
ふれふれ ゆきふれ ふりつもれ
あしたは また あたらしい
雪をたっぷり。
ひたすらたっぷり 描きました。
うまくことばでいえない 幸福感をこめました。
この本をひらいて
そんなゆきのくにを体感してくださったら
さいわいです。
作者あとがき(こどものせかい2月号にじのひろば掲載)
氷点下の雪のくにを生まれて初めて訪ねました。
一面の白銀色に、ことば数が減り、頭はからっぽになりました。
雪は、わたしの中へも降りつもるかのようです。
静けさに立ちすくみ、なだらかな白い丘の稜線を
ぼんやりながめていました。
こころが まっさらになっていきます。
なんてすがすがしいのでしょう。
ひょっとして、これは
自分が誕生したときの気分なのではないでしょうか。
花降るように星降るように舞いながらやってくる雪は、もはや、やまない祝福のかけらです。
さて。
なにをしよう。
どこへいこう。
きっといくつになっても、うまれかわったようなあたらしさに満ちる日はあります。
あの雪のくには「こどものせかい」にちがいありません。
至光社編集者あとがき(こどものせかい2月号 この絵本をめくりながら より)
森に、丘に、湖に、やむことなく降りつづく雪。
その結晶のうつくしさ。雪面のかがやき・・・。
『ゆきが ふる』はタイトルのとおり、
雪をたっぷり味わう絵本となりました。
「いってきます」
主人公の「ぼく」はあたたかなコートに身をつつみ、
手袋をはめブーツをはいて扉の外へ。
そこに広がるのは深い深い雪に覆われた森。
空から次々と降る雪をじっとみつめるぼくのたたずまいに、
ページをめくる手も思わず止まります。
歩き出したぼくは、
踏みしめる雪の音や感触を一歩ずつたしかめるように、
まっさらな雪に足あとをのこしていきます。
こころとからだをつかってただひたすらに雪を感じ、
足あとをつけることで、満たされていくぼくの気持が伝わります。
そして、
ひとりたっぷりと雪を楽しんだあとの 出会いのうれしさ。
ちいさなこどもが
少しずつまわりの人やともだちの存在を認め、
せかいを拡げていくときにみせる
あたたかな光がぼくをつつみます。
雪をわかちあう相手をみつけたしあわせな想いは
「ぼく」から「ぼくたち」へ・・・
さらに「みんな」へと向けられていく。
「ふれ ふれ ゆき ふれ」という
祈りのようなことばが、
雪のなか静かに響きわたるようです。
今日の足あとが見えなくなってもだいじょうぶ。
だってぼくは、
まっさらなせかいを歩くよろこびとたのしさを
知っているのですから。
この絵本を手にするこどもたちが
このぼくのように安心して
日々新しい一歩を踏み出せますように。
そして私たちおとなは
そっとこどもに寄り添い見守りながらあるいてゆけますように・・・。
至光社編集部 嵯峨芽里
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